2007年5月30日水曜日

warfarinization

実習先でとある研修医からおもしろい話を聞けた。
この研修医の先生は、家族持ちで英語が堪能、USMLEにも合格しており、いわゆる普通の研修医、というわけではなかった。

「ワーファリゼーションって日本の医師はよく言うけど、あれは完全に間違い。warfarinにizationがついたwarfarinization=ワーファリナイゼーションが正解なのに、warfarizationで論文書いちゃってる人もいるんだから、笑っちゃうよね。」

というわけで早速pubmedで検索してみた。

まずはwarfarinizationで検索。当然だが、多数の論文が検索にひっかかる。

半信半疑でwarfarizationで検索・・・・・・・・・・本当にあった!

予想通り、日本人。てか日本人以外こんなバカな間違いはしない。
複数人で一つの論文を書いて、誰も気付かなかった、あるいは知らなかったということを世界中に晒してしまったわけだから、これは本当に致命的。

こんなささいなことで世界中に恥を晒しかねないわけなのだから、重々気をつけようと思ったこの日であった。

2007年5月18日金曜日

進路2

以前からずっと
心外、脳外
このどちらかに絞って進路を決めていこうと考えていたが、この考えが最近少しだけ変わった。

脳神経外科、この分野は神経内科とは扱う疾患が異なるゆえに、診察から治療まで外科医自身で行えるという点は魅力的ではあったが、外科という点に拘るなら少し興味に欠けるのではと思うようになった。
扱う領域が狭く、専門的すぎて幅が利かない。
他の臓器と違って脳だけは取り替えるわけにはいかないので、変性疾患にたいしては外科医は無力。
むしろ脳神経は内科的におもしろい分野だと思う。

逆に、心臓血管外科は循環器内科との関係が密接であり、内科的に治療できない患者を手術するという、いわば分業的な要素がややネックではある。しかし、血行動態など、外科的には非常におもしろい分野だと思う。

ところで、最近興味が出てきたのが、同じ胸部外科の呼吸器外科。
心外と違うのは腫瘍が多いという点であるが、人間が死ぬ時というのは循環不全か呼吸不全が多く、外科的に扱う臓器として、肺は心臓同様、魅力的だと思う。肺移植なんて特に。

他には、救急も捨てがたい。ただ、日本で救急医をやるなら自己犠牲は大きいだろう。

何にしても、初期研修では救急と麻酔を可能な限り長く研修するつもりではある。

結局のところ、どの分野が優れている、というようなことは決してなく、どういう選択をするのが自分にとって一番Happyなのか、これが大事。

2007年5月16日水曜日

医師国家試験 大学別合格率ランキング(101回)

第101回医師国家試験の合格率は 87.9%。

第101回医師国家試験の合格基準は,
一般問題を1問1点,臨床実地問題を1問3点とし,
(1)~(4)のすべての合格基準を満たした者を合格とする。
  (1) 一般問題  122点以上/200点
  (2) 臨床実地問題  396点以上/600点
  (3) 必修問題  160点以上/200点
但し,必修問題の一部を採点から除外された受験者にあっては,必修問題の得点について総点数の80%以上とする。
  (4) 禁忌肢問題選択数  2問以下


順位 大学名 合格率
 01位  防衛医科大学校 100.0%
 02位  東京大学医学部 99.0%
 03位  順天堂大学医学部 98.9%
 04位  滋賀医科大学 97.1%
 05位  自治医科大学 97.0%
 06位  山形大学医学部 96.9%
 07位  横浜市立大学医学部 96.7%
 08位  新潟大学医学部 95.3%
 09位  名古屋大学医学部 95.2%
 10位  札幌医科大学 95.1%
 11位  信州大学医学部 94.2%
 11位  島根大学医学部 94.2%
 13位  浜松医科大学 93.9%
 14位  三重大学医学部 93.6%
 15位  福島県立医科大学 93.3%
 16位  群馬大学医学部 93.2%
 16位  千葉大学医学部 93.2%
 16位  富山大学医学部 93.2%
 19位  香川大学医学部 93.1%
 19位  佐賀大学医学部 93.1%
 21位  慶応義塾大学医学部 92.9%
 22位  東京慈恵会医科大学 92.5%
 23位  産業医科大学 92.3%
 24位  秋田大学医学部 92.2%
 24位  東京医科歯科大学医学部 92.2%
 24位  東邦大学医学部 92.2%
 27位  旭川医科大学 92.1%
 27位  弘前大学医学部 92.1%
 29位  筑波大学医学専門学群 91.8%
 30位  岡山大学医学部 91.5%
 31位  京都府立医科大学 90.8%
 32位  昭和大学医学部 90.6%
 32位  東海大学医学部 90.6%
 34位  広島大学医学部 90.4%
 35位  大阪大学医学部 90.3%
 35位  愛媛大学医学部 90.3%
 37位  大分大学医学部 90.2%
 38位  大阪市立大学医学部 90.0%
 39位  金沢大学医学部 89.7%
 39位  福井大学医学部 89.7%
 41位  日本医科大学 89.5%
 42位  岩手医科大学 89.1%
 43位  名古屋市立大学医学部 89.0%
 44位  神戸大学医学部 88.8%
 45位  和歌山県立医科大学 88.7%
 46位  岐阜大学医学部 88.6%
 47位  山口大学医学部 88.3%
 48位  鳥取大学医学部 88.1%
 49位  奈良県立医科大学 86.8%
 50位  北里大学医学部 86.7%
 50位  山梨大学医学部 86.7%
 50位  徳島大学医学部 86.7%
 50位  長崎大学医学部 86.7%
 54位  関西医科大学 86.5%
 55位  高知大学医学部 86.3%
 56位  日本大学医学部 86.2%
 57位  北海道大学医学部 86.1%
 57位  東北大学医学部 86.1%
 59位  九州大学医学部 85.8%
 60位  熊本大学医学部 85.6%
 61位  京都大学医学部 85.5%
 62位  東京女子医科大学 84.5%
 62位  宮崎大学医学部 84.5%
 64位  藤田保健衛生大学医学部 84.1%
 65位  獨協医科大学 83.9%
 66位  琉球大学医学部 83.7%
 67位  大阪医科大学 83.6%
 68位  久留米大学医学部 83.2%
 69位  杏林大学医学部 82.9%
 70位  東京医科大学 82.8%
 71位  兵庫医科大学 81.6%
 72位  埼玉医科大学 81.4%
 73位  川崎医科大学 78.5%
 74位  聖マリアンナ医科大学 78.4%
 74位  鹿児島大学医学部 78.4%
 76位  福岡大学医学部 78.0%
 77位  金沢医科大学 77.9%
 78位  愛知医科大学 77.2%
 79位  近畿大学医学部 72.9%
 80位  帝京大学医学部 66.7%


同じ医学生ではあっても大学によってこれだけ大きな差がある。
高校時代に感じたが、関東の大学は総じてレベルが高い。世間で思われている以上の差が東西間には存在すると思う。
出身大学や医師国家試験合格率と将来の医師としての臨床能力とは決して比例はしないとよく言われるが、相関関係にはあると思う。最低限の知識あってこそ、個々人の医療センスが発揮されるわけなのだから。

気になるわが大学は、およそ平均レベル。しょっぼいなァ。。。
まあ、入試問題があれだけ易しいんだから、納得といえば納得。

とはいっても、同じ大学内でもさらにピンキリである。
どうやって入試に受かったんだろうか・・・と思わせる同級生も何人か存在するわけで。。。

2007年5月5日土曜日

福島孝徳

福島 孝徳(ふくしま たかのり、1942年 - )は、東京都出身の脳神経外科医。鍵穴手術の考案者にして、脳腫瘍外科手術の権威。東京大学医学部卒業。

カロライナ脳神経研究所・米国デューク大学・バージニア大学教授。カロリンスカ研究所・マルセイユ大学・フランクフルト大学教授。東京クリニック及び福島孝徳記念脳脊髄クリニック所属。父は、明治神宮の神官。

来歴

医師である叔父に憧れ東大医学部に入学。東京大学病院研修医の時に世界で初めて内視鏡を使った脳の病気の診断を行い、様々な症状の原因を解明。東京警察病院に勤務後ドイツに留学、そこで脳外科の限界を思い知らされる。

1978年に帰国し三井記念病院脳神経外科部長に就任。頭部を切開することなく、ほんの小さな穴から顕微鏡を使い巧みに脳腫瘍を切除・縫合する鍵穴手術(キーホール・オペレーション)の確立に着手。現在200点にも及ぶ、鍵穴手術に必要な脳外科手術用の顕微鏡や器具の開発を、医療器メーカーと共同で行い始める。

1985年に鍵穴手術を確立し、多い時は1日に11人の手術を行い、年間600人以上・累計20,000人以上の患者を救い、「神の手を持つ男」、「ゴットハンド」と呼ばれるようになる。

48歳の頃、論文を医師の評価基準とする日本の医学界を厭い、アメリカへ渡った。異国の地で臨床の現場にこだわり続け、脳外科症例数全米1のデューク大学医学部の教授に就任した。

現在はデューク大学教授の傍ら、世界中を回り他の医師が断念した脳腫瘍の手術を行っている。また費用を自ら負担し全国の脳外科医を集めセミナーを主催している。

クリッピング手術の権威上山博康とは若い時から互いに意識し合うライバル関係にあったが、福島が脳腫瘍手術の権威、上山が脳動脈瘤手術の権威となった現在は、互いに認め合い、共同でセミナーを開催し若い医師の教育を行っている。

2006年10月には、東京クリニックが開業。同クリニックを日本での治療の拠点とする。2007年には福島孝徳記念脳脊髄クリニックが開院。


年表
1968年 東京大学医学部卒業
1968年 東京大学医学部附属病院 脳神経外科臨床・研究助手
1973年 ベルリン自由大学 Steglitzクリニック脳神経外科研究フェロー
1975年 メイヨー・クリニック脳神経外科臨床・研究フェロー
1978年 東京大学医学部附属病院脳神経外科
1980年 三井記念病院脳神経外科部長 頭蓋底の鍵穴手術(キーホール・オペレーション)を確立
1991年 南カリフォルニア大学医療センター 脳神経外科教授  
1994年 ペンシルベニア医科大学アルゲーニ総合病院 脳神経外科教授、アルゲーニ脳神経研究所頭蓋底手術センター部長
1998年 カロライナ頭蓋底手術センター所長 カロライナ脳神経研究所所長 カロライナ耳研究所共同所長
2006年 東京大手町東京クリニックの運営に参画・指導開始
2007年 千葉に福島孝徳記念脳脊髄クリニックが開院



まさに実力でのし上がった代表的な医師だと思う。東大出身という肩書きも充分すぎるが。
しかし、研修医時代から世界初の診断を行ったというのはすごい。しかも今より封建制の強いであろう数十年も前に。
この人はいわゆる異端児であり、上司からは疎まれていたらしい。
まあ、人より上にいくには人と違うことをしなければいけない、ということなんだろう。

やはりすばらしい医療人なのだと思う。

schizo

schizophrenia

schizophreniform disorder

schizoid personality disorder

schizotypal personality disorder

schizoaffective disorder


診断基準、きちんと覚えんとね。