プルシェンコの抗議
プルシェンコが銀メダルに終わった後に言った、「採点システムは変更されるべきだ。五輪王者が4回転ジャンプの跳び方を知らないならば、男子シングルではなくアイスダンスに名前を変えなくてはならない」という言葉。
要は、4回転ジャンプと3回転ジャンプは全く別物といっていいくらい難易度が違うワケで、4回転ジャンプに成功したらもちろん高得点が出るが、転倒した場合や回転不足と判定されると極端に点数が低くなり、ほとんど得点がない。
コンビネーションジャンプでも同様のことが言えて、現行の採点法ではジャンプのコンビネーションを決めてもそれぞれのジャンプの基礎点を単純に合計することになっている。例えば、4回転後の3回転と、3回転後の3回転は全く難易度が違うのに、点数が同じだということ。
つまり、難しい技術を要求されるジャンプを跳ぼうとすることは、今の採点方式だとハイリスク-ノーリターンなだけ。実際、3回転ジャンプしか飛べないライサチェックが、4回転ジャンプをきれいに決めたプルシェンコに勝ってしまうという事態が起きてしまった。難しいジャンプを練習するのはケガのリスクも高く、今やあえて回転数を落として確実に成功させるジャンプを選択する選手がほとんどになっている。
プルシェンコが危惧しているのはまさにこの点で、これではジャンプ技術が向上しないということ。
ライサチェックは「フィギュアはジャンプじゃない」と言っているらしいが、飛べないやつが言っても駄々こねてるだけにしか聞こえない。ジャンプじゃない、というのなら、フィギュアじゃなくダンスをやればいい。
トリノを断トツで優勝したときから既に採点方式に不満をもらしていたプルシェンコだからこそ、抗議に説得力がある。
芸術面をないがしろにしていいということではなく、フィギュアスケートは本来技術を競うスポーツであるのに、この点が非常に曖昧。
この採点方式を決めた人間は、スポーツをなめすぎ。