伝説の再現
マラドーナ2世と言われていたメッシ、本当にマラドーナを彷彿とさせる5人抜き&ゴール。こりゃすごい。
その伝説。86年W杯のイングランド戦。
「先天性心疾患を理解するには、とにかく実際見るしかない。」
大学で心外の先生にそう言われ、こども病院での実習を選択した。
この一週間では、Jatene procedure、Fontan procedure、Ross procedureを見ることができた。
これはかなりラッキー。
JateneはTGAに対して大血管を正常な位置に入れかえるというごく普通の発想。
Fontanは血行動態的にはダイナミックな手術。
Rossはダメになった大動脈弁を取り除き、自身の肺動脈弁をそのまま大動脈弁として置換させ(autograft)、無くなった右室流出路については人工血管を用いて再建するという手術。この手術の発想はすごい。これを初めてやった人は偉い。
先天性心疾患は後天性心疾患に比べて血行動態がはるかに複雑で難しいが、それがやりがいなんだろうと思う。また、先生いわく、「心臓外科は手術がうまくいけば劇的に改善するが、うまくいかなければ決してよくならない。逆に消化器外科は、極論すれば、誰が執刀しても結果はそうは変わらない。」
これは日頃から感じていたことだが、やはりそうなのかという感じ。
心奇形に限らず、先天性疾患は患者には何の罪も落ち度も無い。もちろん、多くの場合は親にも罪がないわけだが。こういう患者こそ救われるべき。人間は生まれながらにして不公平。
逆に、糖尿病や肺癌など、いわゆる生活習慣病と呼ばれるものは、ある程度の家族性があるが日頃の生活の不摂生が大きな原因であることが多い。その最たるものが肥満手術。これは医療の本質からずれている。
今の自分にとって、そういった患者への治療に生涯をかけて心血を注ぐ気には到底なれない。