準々決勝のオーストラリア対イングランドを見た。
イングランドは前回大会の覇者。しかし、下馬評は圧倒的にオーストラリア有利だった。
自分も試合を見る前からイングランドに勝ち目はないだろうと確信していた。
なぜならラグビーはサッカーと違い、番狂わせが起きにくいから。
イングランドが格上のオーストラリアに勝つことは、サッカーで日本がブラジルに勝つことよりも難しい。
(意図せずにまぐれ勝ちのあるサッカーはつまらんね。)
ところが結果はイングランド勝利。これはさすがに予想し得なかった。誰もが。
キーマンは前回大会でイングランドを優勝に導いたスーパースター、ジョニー・ウィルキンソン。
予選はケガでウィルキンソンを欠いた試合もあったイングランド。ラグビーは15人で一つのチームだが、ウィルキンソンがいるかいないかでこのチームは劇的に変わる。
ウィルキンソンの代名詞と言えば正確無比なキック。たかがキック、されどキック。
あれだけ正確にPKを決める選手がいるというだけで、相手チームは簡単にペナルティーを犯せなくなる。そうなると積極的なDFもできなくなる。焦ってペナルティーをしようものならPKで3点献上。アドバンテージを得たならすかさずドロップゴールで3点を狙う。はずしてもアドバンテージが解消されるだけで、PKで3点狙える。
結局オーストラリアは本来の力を出す機会も無く敗北。イングランドの全得点はウィルキンソンがたたき出した。
ゲームメイクする優れたハーフとスタンド、それを支える運動量豊富なFW8人。これだけそろえば安定したチームを作れるんだということを再認識した。言っちゃ悪いが、BKの11~15まではオマケみたいなもんだな。
ウィルキンソンがもう一つ優れている点としてタックル能力が挙げられる。スタンドオフのDFの位置はFWとBKの境界であり、BKの中でも特にDF能力が必要とされる。しかし、スタンドはゲームメイクが最重要なのでDFの苦手な選手が多い(打てないキャッチャーみたいなもの)。ウィルキンソンにその穴はない。
試合が終わり、清宮がフランスVSニュージーランドについてアナウンサーに聞かれ、「いくらNZが爆発的なアタック能力があったとしても、この試合も必ずもめにもめる試合になります。」と予言していた。オーストラリアが負けたとはいえ、さすがにNZまで負けはしないだろうと思っていたんだが、朝起きて試合結果を見てみると、いい勝負どころか、NZまでまさかの敗北を喫していた。これには本当に驚いた。。。
これこそワールドカップというところか。さすが清宮。
ちなみに、日本VSオーストラリア戦、日本がオーストラリアに勝つためにはどうすればいいかをアナウンサーに聞かれた清宮は「無理です。」と断言していた。ラグビーの厳しさを知る清宮らしい発言。
余談だが、ラグビーはフットボールといえど、一番の見せ場はトライ。キックに頼りがちな試合を避けるために、PKとDGの点数を3点から2点に引き下げるべきだと思うのは自分だけだろうか。